モノをつくっていると、
「より良いものをお客さんに提供したい」という気持ちになります。それが、お客さんに満足を与え、次の仕事に結びつく。まったくその通りでしょう。特に、中小企業、個人企業など、規模が小さい会社であれば、ひとつのお客さんはとても大事で、ありがたいものです。
そして、お客さんは、こちらの気持ちに200%応えてくれ、必要充分な利益をもたらしてくれる・・・。そんな優良顧客であれば、会社経営にはなんら問題はありません。
しかし、そうではないのが現実です。支払う方は、「なるべく少なく」、もらうほうは、「なるべく多く」、これが、商売というものです。
よい製品を提供して、お客さんも満足して、自分も満足・・・と思い、帳簿と向き合うと、思ったほど利益が出ていない。「なんか、儲かっていないな〜。」そう思うものです。そこで、はじめて、「なぜか」という問いに向き合うのです。ただ、その答えを探す手段がわからない。無理な削減や値上げなどを試みる・・・。悪循環の始まりです。
前置きが長くなりましたが、「原価計算」はその答えを見つけ出す、手助けとなってくれます。
原価計算書をよく見ると、「実はこんな材料の無駄(使いすぎ)があったのか・・・」、「実は人件費が、こんなところで多く払っていたのか・・・」などが見えてくるでしょう。
それがわかれば、利益率向上の足がかりとなるはずです。
しかし、間違えないで下さい。原価計算はあくまでも、経営を良くする手がかりのひとつです。答えを見つけ出すのは、経営者のみなさんです。そして、原価計算に時間を使いすぎないで下さい。(本末転倒になってしまいます。)最初は大雑把に把握するぐらいの気持ちで、取り組んでください。
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